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京都府後期高齢者医療広域連合議会

議会での討論等

No.2

京都府後期高齢者医療広域連合議会での討論

         ※ 実際の討論では、語尾の言い回しなど、少々、変わっ          ている部分もありますが、趣旨は変わりません。    
2010/8/27(金) 京都市会:井上けんじ

<一般質問>

 京都市会から選出されております井上けんじです。私は患者の窓口での支払である一部負担金の軽減を求める立場から質問します。
 京都市では、所得200万円未満の世帯が24.7%を占め、また京都市国民健康保険の被保険者世帯についても、保険料所得割基礎額が200万円以下の世帯が87.3%も占めるなど、全体として低所得世帯が多数を占めています。今日の世相の元、他の市町村でもおおむね同様の傾向だと推測されます。
 従って、何よりも被保険者の生活実態からいって保険料及び一部負担金の一層の軽減が求められるところであり、また公的医療保険の目指すべき目標・発展方向は、社会の進歩につれ、被保険者・患者の負担軽減、お金の心配なく治療に打ち込め健康な生活を過ごすことのできるしくみを創っていくことであろうと思います。とりわけ高齢者の一部負担金については、かつての無料化から定額制を経て今日では定率制へと移行し、原則的にその患者・被保険者の所得とは無関係に一割負担とされています。一定額以上の所得がある場合は三割負担となっており、その限りでは応能負担のような体裁になっていますが、むしろこれは負担増のためのしくみに他なりません。本来なら一割を最高額としたうえで所得の逓減割合に応じて負担も減じていくような応能負担のしくみにしていくべきです。
 ある療養病床入院中の85歳のご婦人は、自己負担限度額44,400円に加え、食事代2万4千円、オムツ代3万1千円など、合計月約10万円もの支払になりますが、本人の収入は年金約3万5千円しかありません。同居の働き盛りのお孫さんも20万円前後の賃金で、家賃や、この祖母の入院代に充てると残りはとういてまともな生活に足る額にはなりません。限度額の引き下げや、食事代を以前のような保険適用に戻していくことなどの改善がどうしても必要です。
 同時に、私はこの際、二つの方向での一部負担金軽減を求めたいと思います。一つは、今紹介した事例の通りです。周知の通り、高額療養費の自己負担限度額は所得に応じて、低所得の機Ν供一般、現役並み、の四段階に分かれていますが、いまの事例の本人の年金収入から言えば自己負担限度額の区分は低所得気任△蝓△海両豺腓瞭院限度額は15,000円のはずですが、これが、一体なぜ一般区分の44,400円になるのでしょうか。結論から言えばお孫さんの所得も含まれているわけですが、なぜ後期高齢者保険の被保険者だけの所得で見ないのでしょうか。他の医療保険の場合、こういうケースでは同居であっても、保険が違えば所得も別です。従来の保険から高齢者だけを強制的に引き剥がしておきながら、限度額の区分判定にあたっては一緒というのですから、こんなご都合主義はありません。保険料減額判定でも同じ手法ですが、まことに身勝手な制度という他はありません。区分判定は本人の所得を基準とするよう改善すべきです。
 二つめには一部負担金減免制度の拡充が必要です。法第69条では「特別の事情」の場合の減免が謳われており、施行規則第33条では、この「特別の事情」について「災害の場合」などと書かれています。私は、狭義の災害時のみに限定せず、広く各自治体の判断による事由を付け加えるべきことを政府に求めるとともに、本府広域連合としても、実態に応じ、独自の解釈で要件を緩和すべきだと考えます。生活保護基準にも満たない年金収入しかないこと自体が正に「特別の事情」そのものであり、仮に百歩譲って家族も含めて考えるとしても、今、その家族も不況のあおりで生活がままならないのが実態です。
 一部負担金が家計を圧迫し、受診抑制にも繋がり、ひいてはいっそうの重症化にも繋がります。お金の心配をしなくても、いつでも必要で十分な診察や治療が受けられるよう、一部負担金の軽減を図られるよう、強く求めます。

 最後に短期保険証の発行についてですが、各市町村毎の発行件数は如何ですか、資料でお示し願いたいと思います。また、ある被保険者の短期証の期限がある月で切れる場合、翌月以降の保険証は、どういう扱いになっているでしょうか。相談にこられない場合、或いは接触できない場合など、郵送等での交付になるのでしょうか。最低限、短期証であれ、中断することなく保険証を継続していくうえで、このあたりの詳細についても各ケースに応じて説明を求めたいので、ご答弁または資料のご提出方、よろしくお願いいたします。
以上、第一質問を終わります。

<第二質問>

 私は、本府広域連合議会の議員に選出される前から、京都市会において、一部負担金減免制度の拡充を求めて参りました。昨年6月、厚生労働省へ行き、直接要望もして参りました。政府の言うには、各自治体で要綱の作成など敢えて規定整備等しなくても、法律を直接適用してもらったら結構ですとのご返事でありました。従って本府連合でも特に要綱のようなものは創ってはおられません。それはそれで結構です。しかし申請書とともに資産申告書は創っておられます。然るに、法令では資産を要件にせよとか云々は一言も言っておらず、専らこれは本府連合の独自の判断でのことであります。もし政府の役人か誰かが何か言っていたとしても、そんなことに従ういわれはありません。自治体が自主的に判断すればいいのです。実は、京都市の国保の一部負担金減免制度についても、従来は収入要件と医師の診断が要件でしたが、最近、資産要件が加えられハードルが高くされただけでなく、その手続きの煩わしさのために、申請自体が大きく減ることになりました。私に言わせれば、本連合も、こういう例を参考にされただけで、敢えて法令が言ってもいないことまでハードルを高くする必要は全くありません。しかし逆に言えば自治体としての独自の判断を示しておられる訳ですから、この判断をハードルを低くする方向で活かすことは可能ですし、そういう方向こそが、本来、住民の福祉増進をうたう地方自治体の本旨に叶う道であると考えます。この立場から、本府連合において、減免制度の独自拡充の道を探られるよう、強く求めます。
 短期証については、せめて中断することなく保険証が継続できますよう、手だてを尽くして頂けますよう強く求めまして、質問といたします。


<認定2号「2009年度特別会計決算議案」についての討論>

2010/8/27

 提案されております、認定第2号「2009年度特別会計決算」については、私は認定できないという立場ですので、以下その理由を申し述べ、討論をおこないます。
 理由の第一は、政権党ですら廃止を唱えていたほどの天下の悪法に対し、地方自治体として批判的な声を挙げることもなく、無批判的に悪法の具体化を図ってきたからであります。国民的に大きな批判を受けてきた制度ですから、府民の命と健康を守る立場から、廃止に向けての意思表示や、制度の上乗せなど独自努力がもっと求められるべきであったと思います。昨年9月に、本府広域連合を含む全国の広域連合協議会として厚生労働大臣宛に提出された要望書では、政府の財政責任を強く求めておられる点などは賛成できますが、基本的認識として、「本制度の性急な廃止は多大な混乱が懸念される、現行制度の根幹の維持を強く求める」と要望しておられます。要望されるべきは、公約通り廃止せよ、というのがその中心的内容でなければならないと考えます。
 元々、後期高齢者医療保険制度の元になっている高齢者医療確保法では「医療費の適正化を推進するため…国民の共同連帯の理念等に基づき…国民は自助と連帯の精神に基づき自ら健康の保持増進に努めるとともに費用を公平に負担するものとする」と書かれています。健康を守る政府の責任を放棄し国民に説教するとともに費用負担を押し付けるとんでもない制度として、保険外負担の拡大や病院からの追い出しなど、国民全体に対する医療全体の大改悪の一環として強行されたものです。老人福祉法が「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする」と謳っていることとの対比で、この制度のあけすけなひどい狙いは明らかではありませんか。
 保険料が自動的に上がる、必要で十分な治療を制限するなど、高齢者を年齢で差別するとんでもない制度だからこそ、2008年6月には民主党福山哲郎参議院議員が「今火事が起こっている。まず火を止めることが先決。新しい家の設計図はそのあとの話し」と即時廃止を主張され、日本共産党などと一緒に参議院で廃止が決議されました。そして廃止との公約を掲げた民主党が2009年には政権に就いたのであります。08年9月には、我が京都市会でも廃止を求める意見書が可決されました。35都府県の医師会も反対の意思表示をされています。国民市民多数の声だったからこそこういう経過を辿ったわけであります。然るにその政権党がその公約を裏切っている訳でありますから、悪法自体への批判とともに、政府の公約違反に対しても声を挙げることこそが、当事者としての態度ではありませんか。
 今、政府が新制度づくりに向けての準備を進めていますが、それによると、現在の市町村国保とは別の、都道府県単位の国保に移すというもので、高齢者を別勘定にすることには全く変わりません。これでは現行の後期高齢者制度の問題点の根幹を継続するもので、何ら改善に繋がりません。新制度ができないと廃止できないというのは間違いであり口実にすぎません。以前の制度に戻すだけのことですから、時間もリスクも、新制度云々に比べればずっと少なくてすむのです。老人保健は高齢者の負担を軽減する財政調整のしくみであり制度自体に差別や給付抑制の仕掛けが組み込まれているわけではありません。まず廃止し老健制度に戻した上で、次のことを考えればいいのです。
 最後に、認定できない理由の二つ目ですが、保険給付費が138億円も不用額となっています。給付費の過大見積もりか、それとも窓口負担などの影響による受診抑制や診療報酬上の給付抑制等が働いたのか、いずれにせよ当初の保険給付費の見込に基づいて保険料が設定されていますから、これは本来、被保険者に還元されるべき性格のものです。
 一方、単年度実質収支は17億円の黒字、前々年度からの黒字27億円を加えた累計は44億円の黒字となっており、この結果を見れば、今年度・来年度の保険料をせめて据え置くことは十分可能だったのではないかと改めて思わないわけにはいきません。今春の定例会での丹野直次議員の指摘の通り、1億円弱の予算を充てれば304円の値上げを避けることができたはずですし、結果を見ればむしろ値下げも可能だったのではないかとも思えます。今から補正を組んででも保険料軽減をめざすべきです。
 また保健事業費も8400万円が不用になっており、これは市町村の健康診査が、単なる見込み違いなのか、それとも必要な事業が十分に取り組まれてこなかったからなのか、精査が必要だと思います。
 以上、認定できない理由を申し述べ、討論とします。