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京都府後期高齢者医療広域連合議会

2011年度予算議会

No.3

 2月議会の報告

京都府後期高齢者医療広域連合議会概要報告

2011/2/14(月) 京都市会:井上けんじ

 2月10日(木)、標記議会が開かれ、30人の議員のうち日本共産党からは、丹野(向日市)・宮嶋(木津川市)・安田(大山崎町)。井上(京都市)の4名が出席しました。京都市会からは、高橋(自民)市議が議長のほか、小林(民主)・井上(公明)両議員は発言なしでした。^貳娘遡筺↓各議案の提案・質疑・採決、0娶書案の提案・採決、だ全蠅亮饂歙睫澄採決とすすみ、僅か2時間半で閉会しました。
 ,話位邉聴から短期証は発行するな、宮嶋議員から健康診査・人間ドックについて、井上からは制度廃止と政府の見直し最終案批判につき、各討論しました。△蓮一般会計・特別会計それぞれについて、今年度補正予算、来年度予算の4本、及び専従副連合長の一時金カットの専決事項承認案件の、計5件。宮嶋議員がいくつか質疑し、来年度予算の2件については、高い保険料を含む今年度と同じ方針の継続であり、4人は反対しました。は、4名連名での提出で、井上から提案説明、丹野議員から賛成討論をしましたが、4名のみの賛成で否決、い麓卻欟┐らのものでしたが、井上が紹介議員として趣旨説明、安田議員が採択すべしとの討論をしましたが、これも4名の賛成のみで不採択となりました。以下、井上部分のみですが、討論等の概要について紹介します(写真は「赤旗」新聞提供)。

<要望書の提出>

 なお、議会開会に先立って、4名連名で、議会事務局宛て、要望書を提出しました。内容は、議案等の発送の時期を早めること、請願者に趣旨説明の機会を保障すること、等についてです。次回議会に先立つ全員協議会で諮りたいとの、事務局次長の対応でした。

<井上けんじの一般質問>
 
 京都市会から選出されております井上けんじです。私は、本後期高齢者医療制度は直ちに廃止し、いったん老人保健制度にもどしたうえで、今後の高齢者医療制度のあり方については、何よりも高齢者・国民の医療を守るという原点に立ち返って今一度国民的議論に付すべきであるとの立場から、連合長に、その認識をお伺いしたい。特に、この点にかかわって、昨年12月に発表された、厚生労働省の高齢者医療制度改革会議による新制度の最終案について、連合長の評価と見解、認識をお伺いしたいと思います。
 この最終案では、サラリーマンやその扶養家族は職域保険に戻す他、現行被保険者の大多数が国民健康保険に入るとされておりますが、国保とは言っても、現役世代とは別勘定のまま残すしくみは現制度と全く変わりがなく、しかも都道府県単位の運営にするとのことであります。そしてその後、第二段階として、現行、各市町村が保険者となっている市町村国民健康保険に合流するとされています。というより、これは正確には、新しく作った都道府県単位の後期高齢者国保に、現行市町村国保が合流すると言うべき代物です。即ち、新制度案なるものは、後期高齢者医療制度の廃止という国民世論に応える振りをして、制度廃止に藉口し、現行市町村国保を都道府県単位に広域化しようとするものに他なりません。角を矯めて丑を殺すと言いますか、今回の新制度最終案は、制度廃止を口実に、後期高齢者医療制度のみならず、国保制度全体を改悪しようとするものであります。
 ではなぜ国保の広域化が改悪か。第一に、地域住民のいのちと健康は、身近な基礎自治体が、予防や公衆衛生、治療、健康保険の運営等、一体的に取り組んでこそ、その役割を果たすことが可能になります。保険料を集めるのも、こういう取組の一環として位置付けられるべきであり、広域化して市町村の役割は保険料徴収だけということになれば、市町村は単なる徴収のためだけの機関になってしまい、被保険者から見れば、国保保険者が身近にいない、窓口の遠い存在になってしまうからであります。このことはすでに本後期高齢者制度でも、また例えば府の税機構の例をみてもすでに明らかであります。第二に、現在の市町村国保運営の最大の問題は政府が必要な国庫負担を手当しないことですから、これの復活増額を求めることが、現行国保の最大の課題なのに、広域化はそのことを曖昧にし、問題のこの本質から目をそらそうとするからであります。例えば、京都市議会の例を紹介しますと、昨年12月、「今でも国庫負担責任を果たさず地方自治体と被保険者・患者・地域住民にそのしわ寄せを押しつけているのに、広域化すれば政府は国庫負担責任を果たすのか」と、私が質問しましたところ、京都市の理事者は「国の財政支援の拡充は不可欠」といいながら、その根拠を示すことはできず、単なる甘い願望に留まっているだけでありました。最近では、この理事者は、「国の財政支援」もトーンダウンし、もっぱら「制度の抜本改革」、即ち広域化とか一本化などと言うばかりであります。どんなしくみにしても、政府が必要な財政負担責任を果たさない限り、今日の国保の困難が引き継がれるだけで、構造問題は何ひとつ解決しないことは明らかであります。第三に、現行、各国保への市町村からの繰入が無くなりそのしわ寄せが保険料にはね返ることが危惧されるからであります。例えば京都市の例で言いますと、現在、一般会計から国保へは、基盤安定で65億円、財政支援で75億、合計約140億円が繰り入れられておりますが、前述の同じ市議会の中で「広域化すればこれらの繰入がどうなるのか」との私の質問に、これまたこの理事者の答弁は「繰入のあり方も検討材料のひとつ」と言うだけで、今日通りの繰入が継続できるのかどうか、明確な答えがなかったのみならず、繰入がなくなることも否定されなかったわけであります。もし仮に財政支援分が減らされて保険料にしわ寄せされるようなことになると、単純計算で、京都市では、一世帯3万円以上もの保険料値上げに繋がります。関連して、各市町村の保険料条例減免や一部負担金減免制度などがどうなるかについても、同様の危惧がぬぐい切れません。制度の縮小に繋がらない保障はありません。第四に、広域化して規模が大きくなれば赤字解消、小規模自治体ほど運営が大変だ、という議論がふりまかれており、いかにも俗耳に入りやすい訳ですが、例えば京都府の広域化支援方針などでも、何の根拠もなくそういう意味のことが書かれています。しかし実際は府内でも、全体的な傾向から言えば、京都市をはじめ、概して、被保険者数の多い自治体ほど赤字が大きく、むしろ逆であるとういうのが実態であります。従って、規模が大きくなれば、現在の各市町村の国保の困難が解決されるかの如き論調は、何の根拠もないばかりか、むしろ為にする議論だと指摘すべき代物であります。
 更に言えば、京都市長は職域保険も含めた健康保険制度全体の一本化ということを言っておられますが、すでに旧政府管掌健康保険が協会けんぽになっていることも踏まえ、この点についても私は、同じく京都市議会で取り上げました。「財界が健保への事業主負担を減らすまたはなくすよう求めている。都道府県単位の合流ということになれば、その機会に職域健保の事業主負担もあいまいにされる危惧があるのではないか」と質問しましたところ、ここでも京都市の理事者の答弁は「大きな課題になっていくだろう」と人ごとのような、或いは事業主負担が減ることを否定されない内容でありました。要するに広域化とか一本化と言うのはこういう代物であります。つまり、年齢によって、保険料を値上げしたり必要で十分な医療を保障しないという、後期高齢者医療の問題点を全世代に拡大し、合わせて、現行国保への国庫負担や各市町村繰入を減らす、財界の費用負担を減らすなくすという方向が強く危惧され、結局、そのしわ寄せが被保険者や患者・地域住民に押しつけられるという方向に行き着く虞れが非常に心配されるわけであります。
以上の通り、今般の政府の最終案は、後期高齢者医療保健制度を人質にして、国保制度全般、ひいては医療保険制度全般の改悪に道を開こうとするものであり、とうてい容認できるものではありません。京都市議会の事例は決して京都市だけのことではなく、恐らくどこの自治体でも共通認識、共通の受け止めをされておられる内容と言えるでしょう。
 以上、どこから見ても百害あって一利なしの、このような新制度最終案について、連合長は、政府に対し、強くその撤回を求められるべきであります。合わせて、廃止とも修正ともつかないような小手先のあれこれの新制度についての議論は、国民に対しますます混乱をもたらすだけでありますから、まず政府民主党の公約通りいったん廃止すべきであり、従って、連合長におかれても、この立場を政府に求められるべきであります。連合長の評価と見解をお伺いし、質問とします。

(久嶋連合長答弁要旨)
 本制度は高齢者の医療を守ってきた。今後とも安心して医療が受けられるよう、国に要望していく。

(第二質問)

 先日の全国厚労関係部局長会議で厚労省の保険局長は「制度廃止後の制度云々」と表現されておられ、その限りでは本制度を廃止すべきものとの認識を示されています。一方、ある民主党の議員が政府の言う見直しを延期してもらわないと地方選挙がたたかえないと言っていたそうでありますが、この認識こそ、今回の見直しが、廃止を求める国民の世論と期待に背いているものであるということの、何よりの証明だと思います。国民の命と健康を守るという基本をあいまいにしたまま、あれこれの弥縫策を講じようとする、あるいはいっそう、給付の抑制、国民負担増など医療改悪をすすめる一環としてすすめようとするところに、政府の混迷と混乱の背景があると私は思います。結局、広域連合をも含む地方自治体があれこれと振り回され、尻ぬぐいをさせられているだけではありませんか。本来、地方自治体は、法律の具体化という実務の点では国の方針に従わなければならない面があるとしても、その法律を自主的に解釈し運用するという権限については、自治法自身が、例えば「地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」などの条文の通り、これを認めているところであり、まして、見解の表明、意思表示については何らの制約もないわけであります。年齢で差別するこんな高齢者医療制度や、ましてこの廃止を口実にして医療制度全体を改編しようとする動きに対し、連合長は何の疑問もお感じになられないのでしょうか。国の動きに唯々諾々と従うのか、それとも自らが依って立つ地域住民のくらしや健康を守るのか、そのことが連合長にも求められていると私は考えます。厚生労働省の高齢者医療課長も、例えば1月20日の全国厚生労働関係部局長会議の席で、「地方団体の理解なくして法案を提出することはできない。地方の皆さんの意見を一つひとつ注意深く伺いながら」云々と言われています。大いに声を挙げるべきではありませんか。今回の一連の動きに対し、批判的な見解を明らかにされるよう、重ねて求めまして、質問とします。

<意見書案>

「後期高齢者医療制度」の見直し案を撤回し、同制度を直ち
     に廃止することを求める意見書(案)
 
 昨年末、厚生労働省の「高齢者医療制度改革会議」は、後期高齢者医療制
度の見直しにかかわる最終報告案をまとめた。こrは、廃止の公約実現に藉
口して、年齢で高齢者を差別するしくみを温存するとともに、更に国保への
復帰を口実に、国保制度全般、ひいては医療保険制度全般の制度改変を企図
するものである。本報告案が具体化されれば、国民全体に対し、いっそうの
保険料値上げや給付の抑制が危惧される。政府与党である民主党も廃止の公
約を掲げていたのであるから、あれこれの弥縫策を講じることなく、まずい
ったん廃止したうえで、今後の医療制度のあり方については国民的議論に付
すべきである。
 よって、政府におかれては、直ちに本制度を廃止し、最終報告案を撤回す
べきである。
  以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 2011年2月10日
               京都府後期高齢者医療広域連合議会
 提出先 内閣総理大臣 宛


<意見書案提案説明提案>

 議員発議の意見書案を提案させていただいております、4人の議員を代表して、私、京都市会の井上けんじから、その趣旨について提案させて頂きます。
 意見書案は、後期高齢者医療保険制度の廃止と、これに代わるとされている新制度案の撤回を求めるものであります。まず、昨年暮れの政府の見直し最終案なるものは、現行後期高齢者医療保険制度について、まず第一段階として、現行市町村国保とは別会計のまま都道府県単位の国保にし、保険料軽減措置を段階的に廃止していく、70〜74歳の高齢者の一部負担金を1割から2割に引き上げる、そして更に第二段階として、この都道府県運営の新しい高齢者国保に、現行市町村国保を合流させるというものであります。高齢者だけを引き続き別会計にするために、そもそも保険として成り立たない、総医療費の1割を保険料とするために、医療費が上がれば自動的に保険料も値上がりになっていく、運営が広域になり保険者が遠くなっていく、以前の老人保健制度と異なり資格証明書の発行が認められている、前期高齢者の一部負担金を値上げする等々、第一段階だけでも、現行の制度の問題点がそのまま引き継がれ、更に改悪されようとしています。同時に、第二段階で、現行市町村国保と都道府県単位で合流・再編しようとする方向は、結局、高齢者医療制度の見直しをテコとして、或いは奇貨として、本命である一般国保広域化の狙いをすすめようとするものに他なりません。広域化は、現行国保の最大の構造問題である政府の財政負担責任を何ら改善することなく、しかも一般会計繰入の減少や廃止を通じて、いっそうの保険料高騰が危惧されるものであります。確かに、ある首長にとってみれば、繰入の廃止は一般会計運営上、好ましいことかも知れません。また保険運営の苦労から逃れられるというのも市町村事務の軽減という意味で好ましいと思われている首長もおられるかも知れません。むしろ本質からいえば、例えばある厚労省官僚などは、元々高齢者保険の広域連合化もこの繰入をなくしたいということから出発しているとの趣旨のことを言っているほどであります。しかしだからといってこのような官僚や首長と同じ立場に立っていては、それこそ議会の存在意義が問われるのではありませんか。議会は何よりも住民のくらし・命・健康を守る砦でありますから、保険料の値上げの虞れや運営の広域化、即ち自らの市町村から国保運営が離れていくということなどについては、少なくとも、批判的な視点が求められるのではないでしょうか。
 以前、本議会では、敢えて制度の存続を求めるという決議がありましたが、先程、連合長も「制度廃止後のあり方云々」と答弁されました。引き続くいっそうの改悪へ連なる方向を含んでいるという意味では了解できませんが、とりあえず括弧付きであれ、その限りでは廃止という方針が示されています。国民世論も、政府自身の認識も変化しておりますし、また会期不継続の原則もありますから、以前の決議は、今般の意見書採択を、何ら妨げる理由にはなりえないものと考えております。先輩諸兄姉各議員の皆様方におかれましては、是非ご賛同賜りますよう呼びかけさせていただきまして、意見書の趣旨提案と致します。

<請願諸趣旨説明>

 請願第1号の紹介議員として、請願者になり代わりまして、その趣旨を説明させて頂きます。本来なら、請願者ご自身に、この場にご出席頂きましてご説明を求めるのが私の本意でありますが、残念ながら、本議会にはそのようなしくみがないとのことであります。例えば吾が京都市議会では、請願者からの申し出があった場合、委員会の冒頭にこれの可否を決め、了解ならば直接請願者に説明を求める道が開かれておりますが、私はこれでも不十分だと思っているほどでありまして、もともと主権在民の立場から言えば、申し出があれば、原則、これを認めるのがあるべき姿であろうと考えております。まして昨今、議会改革が叫ばれている時代ですから、より市民府民に開かれた議会にしていくためにも、このような議会改革に向け、議長や各位のご英断をお願いしておきたいと思います。
 二三の点に限って、請願者のお気持ちを紹介したいと思います。
構造改革の名のもとに、医療の分野では、国内総生産に対する社会保障費・医療関係予算が少ないまま推移し、或いは減らされ、そのしわ寄せが、地方自治体・国民・被保険者・患者、更には医療機関にまで、押し付けられてきました。保険料と一部負担金の引き上げ、保険外部分の拡大、混合診療、医療機関運営への株式会社参入の動き、診療報酬の引き下げまたは実態に合わない据置措置、等々、こういう一連の流れの中で、年齢で差別し、給付と保険料負担をリンクさせる後期高齢者医療保険ができてきました。老人福祉法では「老人は敬愛される」と謳われていたものが、後期高齢者保険では「自分のことは自分で、或いは国民同士の助け合いで、自ら痛みを感じるべき、給付費が増えれば保険料も増える、それが嫌なら給付制限、等々、まことにひどい方向になってきました。国保について言えば、1984年に医療費の45%から医療給付費の50%、即ち単純に言えば0.7×0.5=35%にと、国の負担割合が減らされたことが、今日に至るまでの国保の危機の最大の原因になっています。
 ちなみに、先程、丹野議員の質問に対し、連合長は「医療保険制度は相互扶助」との趣旨のご答弁がありましたが、少なくとも国保については、国保法上、相互扶助との表現はありません。戦前の同法では相扶共済と謳われていましたが、戦後の現行国保法では、社会保障であり、国が責任を果たすと書かれています。大体、京都市でいえば、所得割基礎額100万円までの階層が70.9%、200万までが87.3%を占め、無職者が52.6%も占めています。どうしてこれで助け合えるのでしょうか。念のため申し添えたい。
 本来、国民のいのちと健康を守ることは、社会保障として、政府がその責任を負うべきものであり、歴史的には、憲法や現行国保法など、政府の責任と負担の拡大という流れで発展してきました。今日の動きは明らかにこういう流れからの逸脱であり後退であります。大きな流れの中で、国民府民のいのちと健康を守るという大所高所からご判断を賜り、是非とも、本請願が採択されますよう願いまして、趣旨説明とします。