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我有り故に我思う

「財政危機」ならぬ「地方自治の危機」その6

No.230

 国の、大企業・富裕層減税策への追随では、自治体の危機打開はない

 このシリーズも、随分ご無沙汰してしまっているうちに、事態はどんどん進んでいる。とにかく市のやり方はスピードも速いし半端ではない。「社会的な諸課題について公が何でもやる時代は終わった」(市長)と言うかと思えば、ヘルスピア廃止は今年度に入ってすぐの5月議会に出てきたし、A/Bを見直すと称して各施設の割合を計算しているかと思っているうちに(市の施設の運営費をB、使用料・入場料などの市民負担をAとして、その割合をやり玉に挙げている)、早速、自転車の駐輪違反を撤去したときの引き取り料について、この割合A/Bを100%にするように値上げした。例えば動物園や美術館などの運営をちょっと考えればわかるように、A<Bは当たり前であって、その割合はあくまでも結果としての数字でしかない。いくらかかるかということと、文化行政として税金で運営されているから、無料にしても構わないところを、いくらかの入園料をお願いするということとは、全く別のことである。
 「危機、危機」と言いながら、実は21年度は実に102億円もの黒字であったことも明らかになった。論点は、その黒字分を、前倒しで借金を減らす為に使うか、それとも市民への負担を避けることを優先させたうえで残りを返済に充てていくか、今春、問われたのはそういうことであった。それは市長もある場合には認めていたように、黒字は前年度だけで今年以降はまた分からない、今さえよければいいというわけでもない、とも言っておられた。これこれで論点の整理としては私は分かる。だから問題は、市民へのしわ寄せを避けつつ、且つ返済計画を練り直してそのペースを創っていくということであったハズだ。実際、今年度のしわ寄せ分は約53億、黒字の丁度半分だから、これを撤回しても、未だ、当初の返済計画よりも、一定のまとまった返済は可能であった。返しすぎたことに問題があった。勿論、早く返すことは悪いことではない。誰だって早く減らしたい、早く完済したい。それを先行させるか、その前に市民負担増・しわ寄せを避けつつという条件を付けるかどうか、ここが論点であった。然るに、他の多くの場面では相変わらず「危機危機」の連発で、特に市民しんぶんなどは、「収支が大幅に改善!」と書いておきながら、その同じページで「やはり危機だ」などと、これは私の言う前述の論点に沿ってというより、枕詞というか、その危機の性格の説明抜きに相も変わらない論調で強調するから、結局、論点が曖昧にされてしまう。最早こうなると、「危機」を演出しているのかとさえ思えてくるほどだ。
 そこで、今回は、別のページでも紹介している、私の10月3日の代表質問から引用したい。議会論戦のページにその全文を、要約は議会報告ビラのページの各号にて紹介しているので、是非ご参照願いたい。この一文の見出しに書いたように、今日の地方財政危機は、自民党政府の大企業・富裕層への大幅減税政策への批判的視点抜きには論じられないのであって、金融課税にしろ住民税の「フラット」にしろ、市長と自民党政府との、両方併せた批判が必要である。残念ながら、とにかく猛烈に忙しいし今は眠たい。昨夜は10分だけの睡眠であった。きょうも次の仕事への時間が迫っている。国との関係の辺りはまた次回を期したい。

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