市の方針「堀川通の機能強化」を論ず
No.697
最近、京都市が打ち出した「新京都戦略(案)」との方針書に、「堀川通の機能強化」と書かれている。それ以外にも、私見では問題だらけの方針書であるが、今回は「堀川通云々」に限って意見を書く。その後の議会での質疑応答やその部分の新聞報道、市の他の文書等を見ると、以下のようなことが想定される。
元々は「宿泊税」の使途のひとつとしての想定だったようであるが、これはどう考えても流用であり目的外使用も甚だしい。議会でも、追及を受けてこれは否定するかのような答弁で、報道でもそういう趣旨であった。しかし、では財源は一般財源に切り替えるにしろ、全額の国負担を求めるにしろ、「機能強化」方針自体を引っ込めた訳でも撤回したわけでもない。市の他の文書というのは、毎年、市から国へ出されている「対政府要望書」というもので、党市議団の話によると、直近の同書には「機能強化(バイパス整備等)に向けた早期の事業計画策定」と要望されている、とのこと。堀川通の五条通以南は国道1号線だから、「国において事業計画を早く創ってほしい」というものであろう。
ここで、「機能強化」とは「バイパス整備」のことだと明らかになった。ちなみに、事業主体が国であれ市であれ、また財政負担がどうであれ、市自身が「バイパス」を望んでいることは、これらの文書や経過から明らかであるから、主体や負担は、ここでは問わないし別の話である。市の「バイパス」指向自体を批判したい。
元々、道路の機能とは、自動車や人が入り乱れて通行しないように、特に人の安全確保、交通安全が、その本来のハズであり、その為に、車に通行帯やスピード等の規制をかける為の施設であるべきである。現代社会では、国道等は別としても、少なくとも生活道路は、文字通り生活の為の空間であって、子どもの遊び場でもあったハズである。私見では、車は最早、過剰生産状態で、これは国民の購買力に対して過剰という意味ではなくて、社会的絶対的に、過剰である。購買が社会的に強制され、その面が一層強くなっているから、いわば需要が人為的に創られているだけである。公共交通交通が意図的に縮小され、連日、車のコマーシャルが氾濫している。交通事故を本当に減らしたいなら、そもそもいくらアクセルを踏んでも、例えば100km/h以上出ないように、車を作ればいいのである。何とかラリーなどと言って、自然豊かな田園地帯でスピードを競っているような企画が、何故「スポーツニュース」で報道されるのか、私にはさっぱり分からない。ちょっと脱線したがこの辺りは全くの私の個人的な見解なので、堀川通の機能強化への疑問や批判の点で一致できる皆さんとの「車観」での違いがあっても、そこは一致を妨げることではないし、別の問題として議論を交わせばいいかと思っています。「飛び出すな、子どもは急に止まれない」。
さて蛇足ですが、堀川通は、北から南下すると、塩小路付近で少し東に振り東海道本線と新幹線、及び近鉄の下をくぐって八条に出ます。するとここから南は油小路通となって、堀川通が道なりに油小路になるわけです。ご存じの通りで恐縮ですが。従って南区の人間とっては、市の計画は「油小路通の機能強化、油小路のバイパス」ということになります。この故に、私はいつも「堀川・油小路通」と言っています。
そこで、市の言う「機能強化」は、勿論、人の交通安全のことではありません。バイパスと言っても、同じ平面を併行する、迂回するといったようなスペースがあるはずもありません。ならば高架か地下かしかあり得ない。とはいえ、新幹線の上とも想像しにくいし、また西本願寺の前に高架というのもあり得ないでしょう。要するに、市の想定は地下意外には考えられないということになるかと思われます。
元々、市の「市内高速道路」計画では、このルートは「堀川線」と呼ばれ、五条上るから十条下る迄の間の地下高速道路が考えられていました。私もその一員でしたが、「市内高速反対」の大きな住民運動もあって、市が断念したとの経過があったいわく付きの道路でもあります。本来なら、この高速道路しての都市計画決定は、断念の時点で「変更・廃止」の手続きが採られるべしでしたし、私もずっとそのように求めてきましたが、市は一貫して廃止手続きをサボり続けるどころか、意図的に同計画を温存し続けてきました。果たしてというか案の定というか、今回の亡霊復活の機会を探っていたのでしょう。
※ この頃の経過については、当時の雑誌「ねっとわーく京都」からの依頼で書いた記事の原稿を、最後に添付させて頂いています。
市はかねがね、「七条〜八条間が渋滞」と言ってきましたから、この区間だけにするのか、それとも従来計画通り五条上るから十条下るまでの区間とするのか、この辺りが最後の論点になるかと思われますが、どちらにしても私は絶対に反対です。前述の私なりの「車観」は特異なものなので無視して頂くとしても、もっと常識的な立場から言っても、「車が増えるから道路も増やす」ではなく「車の総量規制」が時代の流れだと思うからです。市自身も「あるくまち」とか「パーク&ライド」等々と言ってきているし、今も言っているではありませんか。「渋滞解消」と言うなら、道を増やすのではなく、車を減らせばいいのです。タクシーも含め、公共交通の充実こそが求められる方向だと思います。ちなみに、私見では例えばレンタカーの利用に補助金を出すなどの政策が実現できれば私としては非常にありがたい。私は、本来車は持ちたくないけれども、活動上、軽の宣伝カーは持っていますが。最も最近は、高齢者の相談の方などのアッシー君役として大活躍中なので、当分は手放せそうにはありません。
ともあれ、「渋滞解消」「交通円滑化」との口実での「「機能強化」「バイパス整備」は全く時代遅れ、時代錯誤と言うべきです。近いうちに、市議会への請願または陳情を予定しており、現在、その請願または陳情者の方を募集中ですが、とりあえず起案したものを下記に添付します。
何というか、油小路八条付近といえば、北麓新幹線京都駅の設置場所としても案が提示されている場所であり、このことについては請願または陳情書案にも書きましたが、単に地理的物理的に競合するという単純な話ではなく、そもそも、土地ばかりでなく、地上空間も(すぐ近くの郵便局でも超大型開発計画あり)地下地中すらをも、開発の対象にしようとするなどの無謀な考え方や発想自体が、破綻し矛盾に満ちていることの象徴と言うべきでしょう。「モグラもナマズも怒ってる」。写真は、堀川〜油小路通の上を近鉄と東海道新幹線が走る八条交差点付近。
添付1 請願書案
請 願 書
2025 年 3 月 日
京都市議会 議長 殿
請願者 〒601−
京都市南区
(電話)090− −
紹介議員
<請願の趣旨>
市の「新京都戦略(案)」に「堀川通の機能強化」と書かれていますが、この「機能強化」とは具体的にどのように「強化」しようとするのか、その内容と詳細を明らかにすること。もしこれが、バイパス計画のことならば、撤回し、同「戦略」方針から削除すること。
<請願の理由>
2025年1月21日付「京都新聞」によると、「宿泊税」について「市議会総務消防委員会で議論され」、議員から、ある「資料には」「税収」の「充当」が「想定される事業として」「堀川通…整備が含まれていた」と指摘。…。「税制課は委員会後の取材に…堀川通…整備を会見資料から外したと明かした。」と報道されています。
私は以前、京都市の市内高速道路計画に反対し、斜め久世橋線と油小路線ができてしまったとはいえ、堀川・西大路・久世橋の三線計画が断念されたことについては大変嬉しく思っておりました。二度とその復活が無いように、私宅沿線の、堀川通の高速道路都市計画も早期に廃止・撤回の手続きが採られるべきだと、ずっと思い続けてまいりました。そういう立場の者ですから、今回、「機能強化」等との方針が掲げられると、人一倍、敏感になるのは当然です。
そこで、まず、新聞報道からいくつかの疑問を感じます。 峅餮資料から外す」というのは、宿泊税は充てないという意味ですか。⊇蒜饑任禄爾討覆い韻譴匹癲∈盡擦亙未箸靴董◆嵋拈酊明鞍」との市の方針は変わりませんか。そもそもこの「整備」と「戦略(案)」での「機能強化」とは同じ意味ですか。これらは具体的にどういう整備であり強化なのですか。そこで、,砲弔い討蓮∪鞍に充てるのは目的外使用であり流用であり、如何に観光客の利便性云々と言い張っても使途逸脱は明らかです。△靴しそもそもこの請願は「整備」や「機能強化」に重大な危惧を感じています。財源をどこから充てるという問題ではありません。
そもそも道路の機能とは、本来、交通安全であり、事故や環境負荷をできるだけ軽減するための施設ですから、交差点の改良とかガードレールの増設等といった「機能強化」なら賛成です。一方、車の立場だけから考えて、一層のスピードアップとか「渋滞解消の為の道路面積の拡張」等々のことが想定されておられるなら、これは絶対に同意できません。「戦略」の表現では「広域的道路ネットワークの構築」とのことですから、これはおそらく後者のことでしょう。今の時代に、「より早く」行くことに一体どれだけの意味があるのでしょうか。渋滞解消といわれるのなら、車の市内流入こそ抑制し、総量規制すべきです。「あるくまち京都」、「公共交通優先・充実」等々の方向性は、京都市自身の掲げてきている方針ではありませんか。バイパスと言われるなら、平行・併走するような余地は全くありませんし、現在の高速道路油小路線のような高架も、まさか東海道新幹線の上を超えることは想定しにくいし景観上も大問題です。そこでもしも地下バイパスなどと想定されておられるなら、それこそ高速道路の亡霊の復活です。その高速道路は、当時の計画では、堀川五条上るから油小路十条下る迄といわれておりました。国の事業として国の財政で、と言われても、その莫大な負担は、結局、国民の税金であることに変わりはありませんし、市の負担が全くゼロで済むなどということもありえないでしょう。長期に及ぶ工期が、それこそ「渋滞」の促進・増進・多発化となって、完成した暁には、最早、京都に魅力を感じなくなったり地価高騰等で京都住まいをあきらめた市民の流出超過という事態もあり得ないことではありません。
北陸新幹線南北案も堀川通・油小路通の地下深くと計画されておりますが、これらは単に物理的場所的に二つの計画が競合するといったような問題ではなく、土地のみならず空間も地下をも含めて京都のまち全体を大型事業の対象として開発しようといった政策や考え方が既に破綻していることの象徴とも言うべき代物です。京都のまちを根底から台無しにするものです。
以上の理由により、具体的に次の二項目について請願します。
市の「新京都戦略(案)」に書かれている「堀川通の機能強化」について、その詳細を明らかにすること。
「機能強化」が、「道路ネットワーク構築」の一環であり、バイパス建設などを意味するものであれば、その形態に拘わらず、「強化」計画は、直ちに撤回し削除すること。
なお、財源の問題もあり、また高速道路は建設部門であり、更に市内高速道路の都市計画決定が未だに温存されていると言うことから、都市計画の課題でもあるところから、財政当局と建設局、及び都市計画局からの三局からの出席による審査をお願いしたい。
請願者としての意見陳述の機会を得られるよう求めます。
※ 添付2 高速道路の運動の経過等についての添付記事です。
20数年に及ぶ住民運動と議会論戦の成果、市長の新たな巻き返し
= 市内高速道路三路線の廃止と、突然降って湧いた無謀な地下バイパス計画 =
井上けんじ '16/11/17
はじめに
「革命と反革命」と言えば、150年余り前の、かのエンゲルスの著作であるが、今日までの経過と現況を考える時、私はいつもこの本の題名を思い出す。のっけから過激な表現で恐縮だが、勿論これは比喩であり、言い換えれば、「巻き返し」「転んでもタダでは起きない」とでも言い得ようか。こちらが先制する、相手もあきらめない、逆転を狙ってくる、それを許せばまたこちらも再逆転を期す … 。
'16年5月25日、市議会本会議で市長が「高速道路三路線計画を廃止」と答弁し、ここに、1990年前後の都市計画決定以来、その具体化か見直しかが問われ続けてきた市内高速道路問題が、とりあえずの決着を見ることになった。計画五路線のうち二路線はすでに開通しているとはいえ、20数年に及ぶ住民運動と議会論戦の成果である。しかし同時に、早速、「渋滞解消」を口実とした市長の新たな巻き返し策が打ち出されており、ムダな大型公共事業をめぐる攻防は、また新たなステージを迎えることになった。以下、この間の経過を簡単に振り返ってみたい。
1、背景と経過
戦後歴代自民党政府の、自動車産業やゼネコンへの育成支援策、全国総合開発計画・列島改造計画等による、モータリゼーション化と道路・ダム・港湾整備・都市開発等の政策、大型公共事業推進政策が採られ、豊かな自然環境と原風景が奪われ失われてきた。京都でも、京都タワーや京都駅をめぐる景観論争や、車の増加による市電の撤去、排気ガスによる市役所前ロダンの「考える人」の撤去、そして今日に連なる「保全・再生・創造」論、「景観で飯は食えない」論から景観政策へ等々、それぞれの時期のまちと暮らしのあり方が争点として問われ続けてきた。1990年を前後して、「渋滞解消」を口実に、西大路・堀川・久世橋・十条・油小路五路線の高速道路計画が都市計画決定された。しかし一方、沿線は勿論、市内全域で、景観と環境を守る運動、立ち退きと土地収用に抗しての運動、そして大型公共事業批判や京都の交通のあり方を探る運動、包括的なまちづくり運動等々、自動車公害から健康と環境を守る全国各地の運動とも連携合流しながら住民運動が取り組まれてきた。各地点でのウオッチングや交通量調査、医師の力も得てのカプセル調査とその分析等々、大気汚染から騒音・粉塵、景観、そして財政のムダづかいなど、多様な論点提示と多彩な運動が展開された。車の増加傾向を仮に前提にするとしても、道路拡大での対応ではなく、車の市内流入抑制策こそが求められるというのが、基本的な論点であった。市議会でも、再三、取り上げてきたことは言うまでもない。その攻防の末、'90年代末頃から新十条と油小路線の二路線の着工、そして08年に完成、またこの二路線を結ぶ斜め久世橋線(油小路線の一部)も2011年、完成開通に至った。「渋滞解消」を掲げていたにも拘わらず、現在に至るも利用状況は低調で、議会答弁でも「是非利用して頂きたい」等と語るに落ちる有様である。車の保有台数も減っており、また財政的にも、残る三路線実現の可能性が低下しつつあることは最早客観的にも明らかであった。
※ 京都では、道なりに走っていても途中でその道路の名前が変わることがあるが、高 速道路の堀川線とは、五条堀川から、この道が八条以南は油小路通りになり、十条ま での範囲の道路直下の計画、一方、油小路線とは、勧進橋北詰めから近鉄上鳥羽駅ま での斜め久世橋線を含んで、それ以南、宇治川に至る、油小路通りの上を走っている 高速道路のこと。
2、'12年市長選挙と「検証専門委員会」
二路線の開通を見たものの、その後も粘り強い運動と論戦に取り組む中で、前回'12年市長選での候補者政策討論会、及びその直後の市議会予算委員会で、現市長が「廃止」を明言、「但し手続きを踏んで」と答弁するに至る。そしてその年の秋から、大学教授や阪神高速・国道事務所等関係者に委嘱し、「検証専門委員会」が設置され発足した。客観的な経過から言えば、同委員会は、廃止の手続きの為の役割を担い、それ以外の任務はあり得ないハズであった。事実、結果として今日その結論を得るには至ったが、その間、巻き返し策が練られていたのであろうか、第3回委員会の後、2年以上もの未開催期間を経て、ようやく第4回委員会が、'16年5月10日に開催の運びとなったものである。
3、画期的成果と巻き返し
すでに第3回委員会で「堀川通り東海道本線ガード付近の渋滞解消が課題」との議論があったが、2年振りの第4回では、「三路線見直し」との画期的結論がようやく出されるとともに、同「渋滞」解消策として、|浪璽丱ぅ僖弘討提起された。ガード付近の渋滞解消策と言いながら、何と堀川五条から油小路十条に至る、約3劼傍擇崔浪室動車専用トンネルで、これでは、高速道路の堀川線と何ら変わらない代物である。その後、加筆された最終答申が、19日、市長に渡された。25日の市議会本会議では、従来から高速道路についてはあまり質問してこなかった自民党が、賛否は言わず、単に「市長の考えは?」と文字通りの「質問」、その答弁で、前述の通り、市長が、「速やかに三路線廃止への手続きを進める」とともに「バイパス案」及び高速油小路線と名神を繋ぐ「ジャンクションを」と答弁したのである。その前、23日には議員団からの申し入れ、同25日の上述市長答弁後の本会議と27日の市議会委員会では、私も「直ちに廃止手続きを開始すること、仮に渋滞解消が課題であったとしても、その対策は前述,瞭始容量拡大策のみならず、⊆動車総量抑制についても検討すべき」と求めた。本来なら,慮‘い歪召舛傍儔爾噺世い燭い箸海蹐世、多様な意見を多面的に議論していこうとの観点からの提起であった。然るに、市長サイドでは、,鉢△鯊佚平等に検討した形跡はない。7月19日には、局幹部が、バイパスとジャンクションを掲げ、国へ要望に行っている。その後の議会委員会でも、三路線廃止の手続きの進捗を求め続けた。
4、渋滞解消策立案を条件とせず直ちに廃止手続きを開始せよ
「廃止手続きが遅れているのは、地下バイパス計画との絡みか?」。11月10日の議会質問に、はたして建設局は「検証専門委員会答申で渋滞解消策の必要性も書かれており、併行して検討中」と答えている。往生際が悪いと言うか、それとも懲りない面々の面目躍如と言うべきなのか。無謀な計画に付き合わされたのでは、廃止手続きは進むはずはない。5月の市長答弁は何だったのか。公約違反に答弁違反の上塗りである。「廃止」の公約以来5年弱、今春答弁からでもすでに半年が経っている。都市計画決定が正式に廃止されないことには、久世橋通り沿線住民など、いつまでも建築規制等の網にかかったままで、「生殺し」状態が続いている。都市計画法でも、「変更(廃止も含む)の場合、遅滞なく変更しなければならない」とされている。渋滞解消策立案を前提条件とせず、まず直ちに廃止への手続きを開始することが、現下の課題である。
5、無謀且つムダな大型事業計画は見直し・撤回を
同時に、市はすでに、川端通(鴨東線・師団街道)の塩小路・九条間の拡幅も打ち出している。疎水と鴨川に挟まれ、東海道本線・同新幹線、奈良線の鉄橋をくぐる箇所で、難工事と膨大な経費が危惧される。自転車や歩行者は危なくて通れず、その点の改善が必要との声もあるが、市の本命はあくまでも車優先・「渋滞解消」である。総事業費については、膨大な額が予測されるにもかかわらず、両者とも、市は何ら明らかにしていない。堀川・油小路通り地下バイパス計画は、百歩譲って東海道本線ガード付近が仮に渋滞であったとしても五条・十条間の長距離の説明は全くつかないが、高速道路堀川線とほぼ同規模だとすれば、同線の総事業費は、約1,200億円規模といわれてきた。「国の事業で」と強調しているが、その場合でも、1/3は市負担との議会答弁である。
南区では、御前通り東海道本線ガードの、特に自転車・歩行者道の拡幅改善が悲願であるが、「いくらかかるか分からないのでムリ」との建設局の答弁である。然るに、川端と堀川・油小路では「いくらかかるか分からないが、やる!」との姿勢なのである。
6、三路線総事業費2、900億円撤回の確信を広げつつ、新たな巻き返しへの反撃を
市長の「廃止」答弁は、その後の手続きをサボっているとはいえ大きな成果であり、市民の長年の運動と議会論戦の賜である。同時に、新たな大型公共事業の巻き返しの背景には、政府安倍内閣の経済政策ばかりでなく、TPPによる海外企業の公共事業参入への思惑もあるのかも知れない。南へ、南部へ、そんなに急いでどこへ行く。その行き先は油小路沿線の「らくなん進都」に留まらない。関西都市圏の中心、大阪へというだけでもない。リニアや新幹線府縦断計画等と合わせ、府南部の開発計画の思惑も見え隠れする。何分か早く行けることに、一体どれだけの意味があるというのであろうか。
膨大な財政負担や環境への悪影響、「歩くまち」への逆行、公共事業のあり方、公共交通と京都のまちのあり方への展望等々、どこから考えても無謀な大型事業推進の根拠は薄弱どころか皆無である。車の増加に合わせて道路容量を拡大する時代は既に過去のものとなっている。その前提すら怪しい。口を開けば「財政危機」連発の市長が、事業の民間化や職員削減、公有地の売却等々の「行財政改革」をすすめているが、今回の計画は、その「危機」がリストラを進める為の口実に過ぎないことを物語って余りある。