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活動日誌

北陸新幹線京都延伸計画現地調査

No.703

 10月26日(日)、国土問題研究会主催、北陸新幹線京都延伸計画現地調査が実施され、一部、私も参加してきました。京都延伸計画については、国土交通省と鉄道運輸機構が、桂川ルートと南北ルートの二案を示しています。今回の調査は、この二案沿線と、またどちらのルート案にも共通の久御山車両基地予定地等を徒歩やバスで見て回り、主なスポットで、危惧される問題点などを調査しようというものです。私は、南北案の京都駅予定地と言われている、現京都駅付近の案内役を依頼されました。
 当日配布の資料作成に向け、事前に、私から送付していた部分を、以下、紹介します。
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京都駅八条口付近の状況について         ‘25/10/26  井上けんじ

主な概況と簡単なコメントでお許し下さい。アトランダムに箇条書きにします。

○ 詳しく調べる余裕がなく、単なる記憶だけですが、1950年代は、今の近鉄京都線は「奈良電」と呼ばれ、高架ではなく、八条通りを東西に分ける踏切でした。時期不肖 ですが、現在の、広くなっている道路(東海道本線の北側の塩小路付近では「堀川通」、八条以南「油小路通」)も、昔は東海道本線のガードもなく、それぞれ南北で行き止まりになっていたと記憶しています。
○ その後、近鉄になり、高架にもなりました。新幹線開通が1964年だったことは、よく覚えています。それまでの八条口は淋しい印象でしたが、新幹線が八条口側を(駅の北側部分ではなく)通ったこともあり、その後、徐々に駅らしくなっていったというような経過があります。25年程前には、八条通り地下駐車場とか八条通をまたぐ室町通(現在の駅自由通路の位置です)横断陸橋等々、いろいろな計画が出ては立ち消えたり(両方とも私は反対しておりました)していました。今日のような様子になったのは、ここ20年ほどのことで、イオン開店はごく最近です。
○ 前述の通り、北側の堀川通りが、東海道本線ガードを境に、道なりに、南側では油小路通りになります。というより、今のその広い道の東側の細くて天井の低いガードというかマンポが、元々の(今も)油小路通りです。これらが、八条通りの、近鉄と新幹線が重なる地点で合流し、以南はずっと宇治川まで広い油小路通りとなります。九条十条間は30年ほど前に一車線から現行へ拡幅されましたが、大きな住民運動のあったところです。南区内の堀川通りは、八条で言えば、この油小路八条交差点から西へ数十mの点滅信号を南北に横切り、近鉄東寺駅付近以南は、この線路の西側を通る道となっています。道の下は水路で、これは近鉄上鳥羽口駅付近で、川となって地表に出ています。
〇 西洞院通りは、下京の塩小路通りでは、南西に「ハトヤ」、北東には下京区役所、その南側、線路の際には、西にハローワーク、東側にはキャンパスプラザがあります。ハローワークの南側の鉄道敷地の山陰本線線路脇に、木造の国労事務所が、昔はありました。南区の八条通りでは、イオンと新みやこホテルとの間を通っています。いかにも彼らしい発想ですが、例の西田参院議員は、勿論今は断ち切れになっていますが、かつて、この西洞院通りの南北貫通(東海道本線下をくぐる道を掘る)を主張していたこともありました。
○ さて、前段の駄弁が長くなって申し訳ありません。別添の「鉄道運輸機構」の図面を見ると、平面図では、油小路通りと京都駅の間に図示されています。油小路通りと西洞院通りとの中間か、若しくは西洞院通りの真下か、いずれにせよその付近でしょう。図の右側は、断面を西から東を見た図ですが、地下20mとされていますから、彼らの言う「大深度地下」ではありません。同図の駅舎の左右(南北)は斜め下へもぐっていますから、斜度にもよりますが、南北一定の距離の範囲は40m以浅となるでしょう。勿論、深さは本質的な問題ではありません。大深度法は憲法違反ですし、そもそも延伸しなければ深さ等も関係ありません。
○ 西洞院通りの真下だとしても、道幅が狭く、道路幅だけの工事では済まないでしょう。まして両通りの中間となると、八条通りに面しては油小路角から順に信用金庫・PHP・予備校等があり、南下すると大商業施設、東寺道という東西の道路を経て、春日公園・保育園・ロッテ・九条弘道小学校等、九条通り以南は、十条通りまでずっと住宅密集地で、油小路十条東南角は任天堂です。ただ曲者は、小学校と九条通りの間に、現在は駐車場になっている広い土地があることです。かつて、松下系列(現在のイオンもそうですが)の工場や社宅等があったところです。駐車場は、暫定利用だと思われます。駅の候補地と言う人もいますが果たして?(写真を添付。この土地の西南側=九条油小路交差点から北〜東方面を撮ったもの。北側に小学校やイオンが見え、その奥は京都駅)。2019年12月の「機構」による説明会では「乗り換えは現京都駅から徒歩圏内」とは言っておりましたが。ちなみに八条九条間はざっと500mほどです。小学校は、以前、統廃合の対象校とされていましたが、別の学校での組み合わせで、難を免れました。しかし児童数減少で、今後もどうなるかは不明です。国言いなりの市教委のことですから。南側の現駐車場と合わせれば相当広くなるでしょう。その北側は公園と保育園等です。
〇 一方、駅舎自体はシールドでは無理で、地上からの開削しかないとすれば、この付近での工事は困難。そこで「桂川案」という人もおられます。ここなら、少なくとも駅舎位置の大半は自衛隊の敷地を活用できる、との説です。確かに、東海道新幹線の新横浜や新大阪の例では、在来線の横浜・梅田とは離れています。これも果たして?  素人考えですが、桂川のような大きな河川付近では、そうでない地域の地下水一般の問題とは別の、独自の特徴というか課題があるようにも思うのですが?
○ また、とんでもないことに、京都市は、何と、油小路通りの、五条(松原)付近から十条(下る)付近にかけ、地下バイパストンネル、との計画を打ち出しています。方針書では「堀川の機能強化」と謳われています。機能強化=バイパスとの議会答弁です。ならば地下しかありません(添付ニュース参照)。元々、市内高速道路計画の五路線のうちの堀川線と言われていたルートで(計画のうち新十条〜斜め久世橋線と名神以南の油小路線は開通=新十条トンネルは、市が旧公団への出資金債権を放棄して、現在は市が管理。残りの堀川・久世橋・西大路の三路線は断念)、市は堀川線案を断念したのに、都市計画からはずす作業を拒み続けているという経過です。その都市計画廃止拒否の流れで、高速道路復活の亡霊が今回の更新方針というわけです。以前から「東海道本線ガード下で渋滞」と市幹部が言っており、市や車族等の懲りない面々にとっては、「渋滞するなら車を規制すればいい」という論理を理解する知恵も発想も能力もないのでしょうか。今でも近鉄と新幹線とが重なっている八条油小路交差点付近で、更に地下バイパス、北陸新幹線と来れば、私の言い方では「モグラもナマズも怒っている」。山を見ればトンネルを掘りたくなる、ダムを造りたくなる、車を見れば道路を造りたくなる拡げたくなる、空き地を見れば何か高くて大きな建物を造りたくなる……。最早これは病気というべきでしょうか。                         
  簡単ですが、こんなコメントでいいのでしょうか。以上にてお許し下さい










 

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