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本会議代表質問

2013年10月01日(火)

「2013年9月定例市会」代表質問

No.11

本会議代表質問                2013年10月1日


 南区から選出頂いている井上けんじでございます。日本共産党市会議員団を代表して市長に質問します。

●さて、市民の皆さんの生活と営業の実態は如何でしょうか。勤労者も自営業者も所得は落ち込み、倒産・廃業はやや減っているとはいえ高止まり、所得別の世帯数の割合は、300万円未満が40%、また国民健康保険被保険者では、所得割基礎額200万円以下が89%も占めています。市民の老齢国民年金は月平均51,489円。無保険や無年金、生活保護が増えています。自ら命を絶つ市民が年間300人、20〜44歳の年齢層では死亡原因の第一位で35%も占めています。私の経験でも心の病の方からのご相談も増えています。孤独死も大きな社会問題になり、所謂買物難民が増えています。あるヘルパーさんの話では、最近、新聞をやめる家が増えたとのことであり、またある小売店主は、店は開けているが売上はサッパリ、実際は年金生活とのお話です。希望する高校に進めなかった中学卒業生の進路も心配です。高校中退も少なくありません。京都市の非正規率は全体で44%、女性は61%、ボーナスも社会保険も退職金もありません。特に15〜24歳の非正規率は67%にもなっています。

 ではこれらの背景や原因は何か。構造改革、弱肉強食、格差拡大、強きを助け弱きをくじく、そんな政治が今も続いています。自治体を取り巻くこの2〜30年間の動きを見ても、臨調行革から民間活力、地方行革、補助金カット、規制緩和、民間委託、法人化等々。地方分権とか地域主権等と言いながら、実際は地域経済を衰退させ地方交付税を減らす等地方政治切捨てが特徴だったのではないでしょうか。私は、自治体の現在と将来を考えるにあたり、これらの流れを批判的に総括することが必要だと考えますが、市長はどう振り返っておられますか。

 今日の政府の政策も、投機とバブル、バラマキ復活で借金の山、仮に一時的な経済指標改善があったとしても、物価値上げ、不安定雇用の拡大。庶民には自己責任を説教しながら、大企業や高額所得者へは大幅減税の大盤振る舞い、原発推進、アメリカ言いなりの軍備拡大、解釈改憲・明文改憲と、従来政策の焼き直し+キナ臭い動きが特徴です。社会保障の分野では、医療や年金、介護など、保険料は上がるのに一部負担金や利用料も上がり、保険給付の範囲が縮められ、年金は値下げです。生活保護費値下げは国民全体の生活水準引下げに繋がります。福祉と暮らしを守るとともに、経済の健全な発展のためにも、物価引上げでなく国民の所得引上げが必要です。

 日本共産党は、経済の6割を占める個人消費を伸ばすこと、そのために国民の購買力を高め売買を活発にする、そのために消費者の多数を占める労働者の正規雇用拡大や賃上げ等、国民生活の底上げをと提案しています。大企業が溜め込んでいる260兆円もの内部留保金は、元々、中小企業や労働者が作った成果ですから、社会に還元するのは当然です。ほんの一部を活用すればいいだけです。大企業減税や大資産家優遇税制をやめること、能力に応じて負担する原則に立ち返って税収を確保すること、そうしてこそ、社会保障改善と景気回復は可能です。この道こそ経済再生への道だと確信しますが、市長のお考えは如何ですか。市民と中小企業の現状をどう見ておられますか。景気回復と経済再生への道筋について、市長のお考えは如何ですか。これらについてお答え下さい。

●次に消費税についてお聞きします。政府は来春から増税とのことですが、今からだからこそ、増税は中止されたいと政府に要求すべきです。理由の第一は暮らしと営業を直撃、千円で百円は痛い、これ以上何を切り詰めるのか、買うのも売るのも大変、景気がますます悪くなる。もう廃業しかない、ますますシャッター通りだ。市民から悲痛な声が挙がっています。多くの世論調査も中止が賛成を上回っています。第二は、商店だけでなく診療所なども診療報酬の少々の引き上げで追いつかず最悪廃業、地域から医療機関がなくなる虞もあり、第三に、消費税増税法付則18条で「成長戦略に資する分野に重点配分」と書かれている通り、社会保障ではなく大型開発に使われる虞がある、実際、社会保障大改悪とセットになっている。第四に、最悪の逆累進性で所得再配分機能が損なわれますます格差拡大、そして第五に、却って財政危機となる、からであります。この五点目についてデータを紹介します。国の税金収入は、消費税導入前と2010年との比較で、消費税が0から約10兆円に増えたのに対し、法人税は12兆円減、所得税も5兆円減など、全体で13.4兆円も減っています。理由の一つは消費税のために景気が悪くなり所得税・法人税等が大幅に落ち込み、二つには消費税とセットで、所得税最高税率75〜40%へ、法人税率は40〜25.5%へと大企業や高額所得者への大幅減税、優遇税制。この二つのマイナス分が、消費税でのプラス分を遥かに上回っています。京都市で同じ時期、170億円も税収減になっているのも、この二つの要因が直接間接に影響しているのは明らかです。不況と大企業減税の二つのマイナス要因に手をつけないまま消費税だけを増税しても財政の改善に繋がらないのは明らかではありませんか。消費税導入後の経過を一言で総括すれば、税金を集める対象を大企業や高額所得者から庶民に移し変え、消費税収が大企業減税の穴埋めに回され、しかも税金収入総額を減らしたというだけのことでありました。

 今、税制の空洞化と言われています。累進性の緩和をはじめ、税金を集める対象を所得や利益から消費に移し変えつつありますから、仮に所得が増えても税収の増加に連動しにくい歪んだ税収構造になりつつあります。この矛盾と悪循環を断ち切り、財政を立て直すためにこそ消費税増税を中止しなければなりません。能力に応じて負担し合う応能負担原則に立ち返り、ムダを削れば財源確保は可能です。中止するよう、政府に強く声を挙げるべきです。如何ですか、お答え下さい。

●次に、財政の問題について質問します。市長は財政危機を強調されますが、ではその背景や要因についての分析、打開の方向は如何でしょうか。

 まず政府の税財政政策への認識と評価は如何でしょう。持てる者には大幅減税、不安定雇用の拡大や増税等、持たざる庶民からは消費購買力を奪って景気低迷、また軍事費や大型事業、政党助成金の温存拡大等、政府の政策自体が歳入を減らしムダな歳出を増やし、財政危機をひどくしています。市長は「国の取組に歩調を合わせ」とのことですが、これでは財政危機が増々深刻になるばかりではないでしょうか。

 次に市財政について、京都では、従業者数10人未満の事業所が82%、20人未満が92%を占めていますが、法人市民税均等割納付企業のうち法人税割も払っているのは僅か29%。要するに7割以上が赤字です。その法人税割で言えば、資本金等が1億円を超える12.8%の企業が税収の55.8%を占めるなど、税源の偏在、大手頼みが特徴です。これらの分析は如何でしょうか。財政当局と産業観光局の連携で、特定分野に偏らない、全体を底上げする産業政策が必要ではないでしょうか。また市長は成長戦略で税収増へと言われますが、そのくせ決算説明書では、「法人市民税‥は、税収に占める割合が低く税収増に与える影響は限定的」、と引いた言い方になっています。割合を高くする努力は如何ですか。他の税目でというのなら、どの税目でどう税収増を図ろうとされるのでしょうか。個人市民税の増収を考えておられるなら、正規労働の拡大をはじめ市民生活の底上げ策が不可欠であります。

 一方、地方交付税交付金の歴史的減少傾向も、財政危機の大きな要因です。ピーク時から282億円、22%、臨時財政対策債を除けば544億円47%も減っていると市の対政府要望書にも書かれています。しかし、交付税減額は三位一体改革の名で進められ、その三位一体には、基本的に前の市長からずっと賛成だったではありませんか。決算報告書でも書かれている通り、京都市は財政基盤が脆弱ですし、都市間格差もありますから、私は当時から、税源委譲だけでは不十分、交付税の財源保障機能の発揮が必要だと言ってきました。市長はどう総括されておられますか。またこの時期、04〜06年度に国庫負担金が99億円も一般財源化されましたが、それに見合って交付税が増えるなどしているわけでもありません。生活保護費の自治体負担分について市長は「財政を圧迫し行政運営に支障をきたしかねない」とひどい言い方ですが、自治体負担分は交付税措置されておりこれは言い過ぎです。むしろ年度によってはこの交付税が足らないことをこそ問題にすべきなのです。議論が大雑把で、分析と研究の跡が見えません。人事委員会制度を無視した職員給与削減、交付税削減にあたっても、例えば交付税の審査申立制度等について検討された様子は伺えません。京都市の対政府要望書では最後の最後に、交付税の、増額ではなく「見直しを」と書かれているだけですが、交付税増額要求を正面に掲げもっと本格的に取り組むこと、そのためにも分析や研究を深め理論的にも脇を固め、他自治体にも呼びかけて政府に迫る戦略が必要だと考えます。答弁を求めます。

●次に経済産業政策について、特に中小企業対策について、他都市の事例を紹介しながら質問します。産業政策立案の出発点として、東京の墨田区の、職員による全事業所訪問、面接悉皆実態調査はよく知られている通りであります。どこから材料を調達し、何を創りどこへ供給しているのか、すべてデータとして把握されています。職員の意識改革も大きな成果とのことであります。これは愛知県でも参考にされています。千葉県ではヨーロッパの小企業憲章に学び、どの部局、どの行政分野においても、例えば教育委員会が物を買う場合にも、福祉局が病院を建てる場合にも、まず中小企業を第一に考えるという発想を基本に据えられています。横浜市では、毎年、中小企業振興施策の取組み状況報告書を作成、引き続く施策の充実に役立てられています。熊本県では地産地消条例も作られています。中小企業政策の具体化にあたって大企業や金融機関の役割を位置付けておられることや、行政と中小企業団体との定期的な意見交換をされていること等も最近の各自治体の特徴であります。職員による実態調査をはじめ、これらの事例を京都市でも活かすべきだと思いますが如何でしょうか。お答え下さい。

 同時に私は、中小企業対策一般に留まらない零細企業・零細業者、商店街組織すらない個人商店にももっと光を当てるべきだと考えます。営業資金とも生活資金とも言える、そういう小口の融資への要求も切実で、商売を続けながら生活保護のご相談が寄せられる事例も最近増えています。当面、消費税増税中止とともに、大型店の抑制が必要です。その大型店について言えば、福島県や吹田市では、大型店の抑制に道を開く条例が作られています。京都では今、南区から向日市にかけて関西最大級の超大型店が開業準備中ですが、知事と乙訓二市一町の市長町長連名で、地域への貢献や周辺生活環境への配慮等を求める要望書を出しておられます。市長の対応は如何でしょうか。商業影響調査などをすべきではありませんか。大型店抑制の立場から、事実上大型店誘致策になっている商業集積プランやまちづくり条例の見直しが必要ではないのでしょうか。また政府に対し、大店立地法の改正を求めるべきだと思いますが、これらについてお答え下さい。

 さて公契約条例については、地元発注、労働者の賃金の底上げ・官製ワーキングプアを作らない、品質確保、等の観点を踏まえ、また関係する業者・労働者の皆さんの声をよく聞いて準備されるよう求めます。また条例と関連して、建設産業等各分野の政策の立案を求めます。熊本県では建設産業振興プランを作っておられます。衣食住の住を担う生活必需品産業でありながら、若年就業者数の減少が目立ち、人材不足・後継者不足が最近の建設業の大きな特徴です。振興策の策定を求めます。

●次に産業政策にかかわって、企業立地促進助成制度についてお聞きします。従来から多くの企業が本制度の補助金の対象となってきましたが、一方、京都府や中央の、各選挙管理委員会の報告によると、市の補助金を受け取ってきたいくつかの企業が、政党の支部や資金管理団体に寄付をしている実態が散見されます。私の調査の範囲でその一端を紹介しますと、例えばS製作所は04年から09年にかけて市から4回の補助を受けていますが、この04年から11年にかけて、KS協会、これはある政党の資金管理団体ですが、この協会に毎年96万円から多い年では396万円を寄付しています。R社は04年の12月に立地促進補助の指定を受けていますが、04年から11年にかけて、06年を除き、毎年、京都の某党の支部に30万円と、KS協会に60万円、07年だけは105万円を寄付しています。更に、N社も11年に2回、立地補助の指定を受けていますが、04年から11年にかけ、KS協会に毎年60万円を寄付しています。

 そこで次に政治資金規正法の規定を見ますと、自治体から補助金の指定を受けてから一年間は、その自治体の議会の議員を推薦したり支持したりした団体への寄付が禁じられています。しかし今紹介した事例では、その寄付が一年経過後であったり、既に3年の時効にかかっていたり、また特に、KS協会が、直接、本市議会の議員を推薦支持しておられるか否か、この点が不明であること等から、法に抵触するとは、私も断言はできません。しかし、KS協会は京都市議会にも議員を有する政党の資金管理団体であり、同協会への寄付はこの党の活動のためのものであることは明白でありますし、また法律的には時効であっても、道義的には時効はありません。要するに市民が納めた税金を原資として補助金が提供され、そしてそれを受け取った企業が直接間接に、政党の活動資金のために寄付をしているのであります。補助金助成にあたり、その前後何年間かは、たとえ間接であっても政党の活動費に至るような寄付は禁止するとの条件をつけるなど、要件をもっと絞るべきではないですか。助成の直後にその企業から政党の活動費へ、直接間接に寄付をされている、そういうお金の流れについて市長は如何お考えでしょうか。見解をお聞かせ下さい。

●最後に道州制について質問します。元々道州制は、世界や日本全国をまたにかける大企業が、個々の自治体の規制に囚われず好き放題に営業したい、港や高速道路の横断的大規模開発で製造流通等をより安くより早く、そしてより多く利益を上げたい、国の出先機関や府県を廃止した行政費用などを、そういう事業に注ぎ込みたいと、言ってみればそういう思惑から出発しているものであります。市長も道州制推進、都市間競争に勝つ、外資系や大企業に来てもらいたい、等々と言われています。しかしそれで市民の暮らしや営業が良くなるのでしょうか。京都の中小企業が発展するのでしょうか。経済圏域が広くなって市民の生活がますます多国籍企業や全国展開企業等に委ねられていくのではありませんか。市民の税金が大阪湾岸開発などに持っていかれる心配はありませんか。市民が購入し消費するものは、できるだけ京都の産業や企業がその生産や流通を担う、そのための地域循環の仕組みが求められているのではないでしょうか。

 そこで質問です。道州制では府県は廃止と言われていますが、一方、知事も市長も例えば国民健康保険の運営を都道府県で等と言っておられます。どちらが本当ですか。また市の対政府要望書では、道州制を見据えてという項目と地方交付税の確保という項目が並んでいます。しかし道州制になれば地方交付税は廃止との見解が一般的です。一体どちらですか。京都府や地方交付税が将来どうなるのか、これらについてお答え下さい。
 また今年4月30日、関西広域連合が道州制に向けて憲法改正をとの要望を政府与党に提出されました。しかし関西広域連合は道州には移行しないとの前提で運営されてきたはずです。約束違反ではありませんか。ちなみに道州制について、自民党憲法改正草案は、現行憲法のままで道州制は可能との立場ですが、かつて最高裁は、「憲法上の地方公共団体は経済的文化的共同生活・共同意識等を要件とする」との判断を示しており、私もこの判断に照らし、道州制は憲法違反だと考えます。では広域連合の要望書はどういう立場ですか。広域連合と道州の関係、及び憲法改正要望の趣旨と、この二点についてもお答え下さい。都道府県や財政のあり方、広域連合との関係、市民への影響など中身を曖昧にしたまま、既成事実ばかりを先行させるのはやめるべきです。道州制は断念すべきです。

 以上で第一質問を終わります。


第二質問

 消費税については、全く思考停止というほかない。いくら設備投資しても、国民の購買力が落ちれば、景気がますます悪くなるのは当たり前ではないか。ますます税財政がいびつになっていくことを指摘しておきたい。
 道州制については、「国民的議論を深めていくことが重要だ」とか、「国が明らかにするように」とか、「憲法議論を排除するものではない」など、一般的なことを質問しているのではなく、市長が参加している「道州制推進首長連合」の設立趣意書に、「道府県制を廃止し」、と具体的に書いてあるからこそ心配している。憲法の問題でも、4月30日、京都市長の名前も連ねた要望書の中で、「憲法改正も視野に入れるべきだ」と具体的に書いてあるからこそ質問したのだが、そのことについての答弁がなかったのは残念だ。
 道州制にしろ、交付税にしろ、全国の自治体がより団結しやすい要求の一致を探っていくことが求められている。住民の暮らしの拠りどころとして、地方自治を発展させるのか、財界に奉仕する組織に変質するのか、自治体が本当に今問われている。中身を曖昧にしたまま突っ走るのはやめるべきだ、重ねて指摘する。